新型コロナに関して③

covid-19

全国で非常事態宣言が解除され、東京でも、大阪でも営業自粛要請が緩和されてきました。しかし、今までの自粛生活が一気に崩れるのではなく、国民の多くの皆さんは、各自、自分なりに警戒しながらの自粛解除を調整している段階と言っていいでしょう。

この点は、やはり日本人の国民性でしょうか?
中国の武漢で封鎖が解除された時には、1日で100万人単位での移動が報道され、観光地にも大勢の人が殺到する映像を見ているので、日頃は、日本人の国民性など考えもしなかったのですが、改めて対比的に考えさせられました。

同じ国民で、日本人の中でも多種多様の性格の人がいるのにも関わらず、外国と比較してみると、普段自覚している以上に、全体としての日本人の特性が見えてきます。
ただ、特性といっても、同じ行動、同じ考え方であっても解釈の仕方によっては、全く異なった印象になってしまいます。

「慎重で思慮深く、勤勉で規律を重んじ、集団の意思を尊重する」というのと、「怖がりで、考えすぎ、決断力・行動力に乏しく、真面目すぎて規則に縛られ、個人の意思よりも大勢の意見に同調する」というのを比べてみてどうでしょう?
同じ行動あっても、前者の方は「日本人のいい特性」であって、後者の方は「日本人の悪い特性」と評価されるでしょう。
先日、今年の3月~4月にかけて、大阪大学の三浦麻子教授らが、世界5か国(日本、アメリカ、イギリス、イタリア、中国)の一般市民400~500人に対して、調査した結果を報告しています。

      ① 「新型コロナウイルスに感染した人がいたとしたら、それは本人のせいだと思う」
      ② 「新型コロナウイルスに感染する人は、自業自得だと思う」

の2つの質問に対しての回答で、日本人は「感染は本人のせいである」と答えた人が15.25%、「自業自得である」と答えた人が11.50%と、5か国中で最も多く、欧米の5倍から10倍という結果でした。

もちろん、そのように考えていない人の方が圧倒的に多いのですが、他国と比べたこのような特性が、罰則のない自粛要請でも、多くの国民が行動を自粛した要因の一つと考えられます。しかし、この考え方が、逆に、行き過ぎた“自粛警察”を生んだり、感染者を責める風潮に繋がっているとしたら、特性としてだけで片付けるわけにはいかないかもしれません。欧米のように、1~2%の少数意見であったら、あくまでも少数意見ですが、日本のように10~20%の少数意見になると、時には大多数の意見をも凌駕することがあるからです。
自粛警察のような方が大きな力で発信し、大多数の人が沈黙した場合には、結局は「被害者である感染者」を責めるような風潮になってしまいます。
あくまでも、共通の敵は、闘う相手はコロナウィルスであることを忘れないようにすることが大事です。

もちろん、ウィルスも当然悪意を持っているわけではありませんので、これからは、闘いというよりは共存の道を模索し続けることになると思います。

世界では、6月末に感染者は1000万人を越え、まだまだピークにさえ達していません。
日本の中の、ある都府県だけで闘っても効果はなく、世界の中で、ある国だけが闘っても効果は十分ではありません。
まだまだの道のりですが、一緒に頑張りましょう。

以上

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